国の概念をなくしてしまったら、それぞれの国がもっていた歴史や文化も消滅してしまうのではないかと非難する人もいるでしょう。しかし、人類はその国家の歴史以上に長い歩みを経てきており、これからもまた長い年月を生き延びていかなくてはなりません。つまり、まず人間があり、次に国があるのであって、その逆ではありえないのです。それに、国境をなくしたからといって、文化や歴史が消えてなくなるわけでもありません。
ですから、おめでたい人間の言い草だと批判されようと、このような人間、または世界の「あるべき姿」をベースにとらえた理念と行動が、これからの世界のありようを考えるうえで必要なのではないかと思います。
(書籍『生き方(著者:稲盛和夫)』より抜粋)
「I am alive based on this philosophy」