長時間の作業に潜む罠

デザインなどのクリエイティブな作業を立て続けに長時間していると、思考回路が疲れてくるせいか客観性を失い、恐ろしいほどに視野が狭くなり、いわゆる“思い込み”の状態に陥ることがよくある。

この現象はデザインに限らず、音楽制作、文章のライティングなどクリエティブな作業全般に同様のことが言えるはず。実際、僕自身もそのような経験をこれまで数多くしてきたし、今でもしてる・・・w
経験を重ねることで徐々に解消されてきてはいるものの、未だその“さじ加減”を思い通りにはコントロールできていない。

頭で理解していても、これがなかなか厄介。なぜなら、休憩を取る間ももったいないと思えるぐらい作業が順調な場合でも起こりうる現象だからだ。仕上がった作品を時間おいてから改めて見かえしてみると、その出来の悪さに幻滅する・・・なんてことはデザイナー(クリエイター)にはよくある話。「作業が順調」ということ自体が“思い込み”になってしまっている・・・。

また、良いアイデアや考えが全く浮かばず何時間とひたすら悩んでいたことも、翌日、ほんの10分で解決できることもある。信じられないほど思考が偏り、視野が極端に狭くなっていた自分自身が嫌になる。

以前、人間の脳に関する記事「睡眠効果を期待する」のなかでも紹介したが、脳神経外科専門医の方による書籍『脳が冴える15の習慣』に

記憶の定着、思考の整理は、起きている間よりも寝ている間の方が進みやすい。「睡眠も思考の一部」と考え、十分に寝て、起きてから熟考する習慣を身につけた方が絶対に合理的です。

と書かかれていた。これはあくまで睡眠がテーマだが、今回の内容とも大いに関係があるはず。

では、どう対処していけばいいかということだが、やはり意識的に適度な休息をとることはもちろん、自分にあった作業のペース配分を追求する。そして、多くの経験を積み重ね、客観性を養う他にない。というのが僕の現時点での見解。

また、いくら周囲からそれなりに高い評価を得ることができたとしても、自分のスキルに自惚れることなく、常に謙虚な姿勢でこれらの現実と見つめ合うことが、クリエイターとしての更なる成長へとつながるのだと思う。

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